開成町に吹いた新しい風 ~伝統ある酒蔵と江戸の古民家の再生~

38 年ぶりに復活した開成町の老舗酒造

神奈川県は開成町に蔵を構える「瀬戸酒造店」。その歴史は古く、慶応元年(1865年)創業という老舗の酒蔵だ。一時は自家醸造を中断していたものの、今年から醸造を再開したことで、注目が集まっている。開成町の美しい自然や古民家といった、どこかほっとする風景から生まれるお酒はどんな味がするだろう、そんな想いから始まった酒蔵再建。
だわりの日本酒の仕込み水は、丹沢山水系の深層地下水。小仕込みにすることで、工程のひとつひとつを丁寧にし、大切に造る。 こだわりの甑(こしき)を使用しての蒸米や、機械を使用せず麹箱を使っての麹造りと、掛ける手間と時間は想像以上だ。
現在、瀬戸酒造店が手掛ける日本酒は大きく3種類。それぞれ、まる・さんかく・しかくのマークがついており、シンプルながらも印象的なラベルとなっている。「まる」の「セトイチ」シリーズ第一弾の「セトイチいざ」は飲み口は穏やかながらも、華やかな芳香を感じるすっきりとした味わい。全部で8種類のセトイチシリーズをリリース予定だ。「さんかく」の「あしがり郷」は開成町のあじさいの花から抽出した酵母を使用。爽やかな酸味が特徴的で、澄んだ味わいは白ワインのよう。「しかく」の「酒田 錦」は幕末から続く瀬戸酒造店の代表銘柄の復刻版。かつての酒蔵に根付いていた酵母を使用した、水の美味しさを感じるしっかりした味わいの逸品だ。
今後も各種、味わいの異なる日本酒を展開予定とのことでますます目が離せない。開成駅からトゥクトゥクによる無料送迎もあるので、希望の方は事前に連絡を。また酒蔵見学も要予約のため、早めの予約がおすすめだ。

各種イベントから打ち合わせまで。 幅広く使える江戸時代のお屋敷
そして今、瀬戸酒造店とあわせて開成町の人気スポットとなっているのが「あしがり郷瀬戸屋敷」だ。江戸時代に瀬戸家の屋敷として建てられた歴史を持ち、水車や土蔵、井戸といった当時の設備がそのまま残されている。こうした貴重な建物には「見る」だけの施設が多い中、瀬戸屋敷では「使える」施設として子供向けの水遊びイベントから、ジャズナイトといったシックなものまで各種イベントが行われている。レンタルスペースとして貸し出しも行っているため、イベントや展示会の他、コワーキングスペースとして使用することも可能だそう。プロジェクターや Wi-Fi も使用でき、充実した施設 となっている。また驚くことに炊 事場も使用可能とのことで、かまどを使ってお米を炊くなど、様々な利用の仕方ができる、面白い古民家と言えるだろう。瀬戸酒造店からも近いので、あわせて訪れるのも楽しい。
今後は瀬戸酒造店と瀬戸屋敷を中心に、地域全体を巻き込んで開成町のチカラを高めていきたいそう。「開成町の日本酒をより多 くの人に楽しんでもらうため、瀬戸酒造店のお酒を扱うお店も随時募集中ですし、最終的には『あしがり郷』がこの町周辺の美しい風景と憩いの空間の代名詞として定着するといいなと考えています。」と話す、瀬戸酒造店の挑戦にこれからも目が離せない。

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SHOP INFORMATION

瀬戸酒造店
神奈川県足柄上郡開成町金井島17
 Tel:0465-82-0055
Open:10:00~19:00
Close:月曜日~水曜日(祝日は営業)
  http://setosyuzo.ashigarigo.com

SHOP INFORMATION

あしがり郷 瀬戸屋敷
神奈川県足柄上郡開成町金井島1336
Tel:0465-84-0050
Open:10:00~17:00 Close:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)・年末年始
https://setoyashiki.ashigarigo.com

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