昭和10年創業。当時の味を今に伝える小田原の老舗和菓子店

小田原の老舗和菓子店と言えば、必ず名前があがるのが『伊勢屋』。昭和10年の創業時より手作りの味を大切にし、今に伝えている。「ここは初代の大矢平作が横須賀にあった『伊勢屋』で修行したのちに開いたお店です。お店の場所も和菓子の作り方も、創業時からほとんど変わっていないんです」と話すのは3代目。伊勢屋の和菓子は「その日売る分だけ、その日につくる」のがこだわり。添加物などを極力使用しないようにしているため、日持ちしなくてたくさん作ることもできないと3代目は苦笑いするが、これは初代の頃からのスタイル。ごくシンプルなルールは毎日作りたてを提供することにもつながっているのだ。

このこだわりは当然、伊勢屋の名物である「豆大福」にも。厳選した良質なもち米を毎日石臼でつき、手包みしているという。沖縄の塩「ぬちまーす」で塩気を加え、北海道産の小豆と赤えんどう豆を使った大福は、もっちりとなめらかで上品な甘さ。赤えんどう豆のホクホクとした食感も楽しい一品だ。人気の高さは、小田原セレクション2015にて「市民が選んだ小田原みやげ」に選出されたことからもうかがえる。「もち粉でつくった方が日持ちするので、もち米を使った大福はあまりないと思います。100%もち米のため、翌日には硬くなってしまいますが、焼いて食べるとまた別のおいしさが味わえますよ」。

また伊勢屋では和菓子の他、赤飯やいなり寿司も販売。いなり寿司のたれは、創業当初から継ぎ足し使い続けてきた伝統の味。甘さとコクのある揚げはしみじみと美味しく、夏は紅しょうがを加えてさっぱりさせるなど、季節に合わせて工夫が凝らされているのも嬉しい。最近では、お店のまかないから生まれた「赤飯いなり」も新たな人気商品となっている。伊勢屋は小田原市本町にある本店の他、小田原ラスカにも出店中。自宅用にはもちろん、お呼ばれの際の手土産にもおすすめなのでぜひお試しを。

SHOP INFORMATION

伊勢屋本店
小田原市本町3-6-22
Tel.0465-22-3378
営業時間:9:00-17:00
定休日:木曜日

伊勢屋 小田原ラスカ店
小田原市栄町1-1-9 1階
Tel.0465-24-7740
営業時間:10:00-20:00
定休日:デパートのお休みと同日

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