ー 持続可能な社会と快適な暮らしのために、工務店ができること ー
近年、業界や業種を問わず多くの企業がSDGsに関する取り組みを発表しています。住宅業界もその例に漏れず、独自の取り組みを実施する企業も増えています。そこで今回は小田原市の『中川工務店』の中川専務に、かながわSDGsスマイル大使でもあるFMヨコハマDJのMITSUMIさんとSDGsへの想いやアクションを伺いました。
―普段から交流があるお二人ですが、きっかけは何だったのでしょう?
中川専務(以下中川):FMヨコハマの「ちょうどいい暮らし」がきっかけです。担当DJの光邦さんから「面白い人がいるよ」と紹介されて(笑)。
MITSUMIさん(以下 MITSUMI):私が好きな自然や環境の話をするうちにすっかり意気投合して。光邦さんプロデュースの「覇魂(ばっこん)ハウス」にもお邪魔しました。暮らしの基盤でもある家とサステナビリティを結びつけて考えてみると色々見えてくることがあって、お話を伺って目からウロコでした。デザインも性能もよく、省エネの観点からも優秀な家は帰りたい場所になるし、充実した毎日を送れるだろうなと思います。でもSDGsが広まったからその波に乗ったわけではないんですよね?
中川:もともと私たちが掲げていた理念がたまたまSDGsの目標と一致した感じですね。SDGsが掲げる17の目標の中の「主に11番﹁住み続けられるまちづくり」と12番の「つくる責任、つかう責任」でしょうか。住み続けられる街には、住み続けられる家が必要。じゃあ住み続けられる家って?と考えたときに「環境優先で制約とストレスが増えるのでは元も子もない。自然とエコになる家を作ろう」と決めました。
MITSUMI:なるほど。その想いが断熱・気密に優れた家づくりにつながっているんですね。そして中川工務店さんは、家の性能と同じかそれ以上に「つくる責任」を重視していますよね。
中川:私の父は大工で、職人さんたちと必死に家をつくる姿をずっと見てきたんです。家が完成すると子どもながらに父が誇らしかったし、その背中から「つくる責任」を感じてきたのかもしれません。家づくりはチームで取り組みますが、現場を仕切るのは職人さんたち。知識も経験も豊富な猛者ばかりです(笑)。意見が異なるときも当然あります。全員が本気で家づくりに向き合っているから議論するわけです。「何となく」とか「指示されたから」で仕事を進めるのではなく、率先して提案する。そこには提案した以上責任も発生するし、面倒ごとになるかもしれない。けれどその先にあるベストを目指して家を建てるのは、工務店としての責任でもありプライドでもあります。
MITSUMI:畑は違いますが、私のDJとしての仕事にも共通する気がします。番組はDJ以外にもディレクターさん・ミキサーさん……たくさんの人の力で成り立っています。誰かが手を抜いていたら全員が本来の力を発揮できませんし、いまお届けしている番組とはまったく違う感じになるでしょう。
中川:きっとそれも「つくる責任」ですね。ベストを探してチーム全員で立ち向かい、人それぞれの「いい家」を広げていく。それが私たちの原点だと思います。
―中川工務店さんでは間伐集成材を積極的に使用するほか、環境に配慮した資材も使っていますね。
中川:資材は家をつくるうえで要となる部分なのでこだわり、大阪のメーカーさんにも出向きました。新たなメーカーさんとの出会いもあり、いろいろ改良しましたね。職人さんたちと一緒にとにかく勉強しました。
MITSUMI:体に悪い資材を使うと、最初は何ともなくても積もり積もって健康を蝕む可能性もありますよね。それは職人さんたちもですし、実際に住む人にも言える危険性だと思います。資材は表からは見えにくい部分だし、目先の費用だけで考えると
「できるだけ安く」と軽視しがちな箇所。そこに安心安全な資材を使うのは最高の配慮です。職人さん・住まう人、どちらの健康も考えて見えない部分までこだわるなんて、なかなかできないのでは……!
中川:健康はお金で買えませんからね。毎日を元気で過ごせるのが一番です。
MITSUMI:「健康寿命」なんて言葉がありますが、私は人間だけでなく多くの物事にも健康寿命があると考えています。地球も住まいもきっと健康寿命があるはずで。私たちが少しだけ考えて行動すれば、みんなWin-Winで気持ちよく一緒に年を重ねていけるのかなと。
中川:私たちも廃材を出さない工夫をしたり、ZEH住宅を提案したりとさまざまな角度からアクションを起こしています。結果それが子どもたち世代、さらにその先まで安心して暮らせる環境につながれば嬉しいですね。
中川工務店 専務 中川正秀さん
神奈川県小田原市出身。大手旅行代理店勤務を経て現職。FMヨコハマ「ちょうどいいラジオ」内のコーナー「ちょうどいい 暮らし」に出演中。2023年10月に開催された「防災フェス ちょうどいい防災のはなし」では、日本テレビのマスコットキャラクター・そらジローとも共演。エンターテインメントを織り交ぜながら、家づくりのさまざまなノウハウを楽しく発信しています。
FMヨコハマ DJ MITSUMI
『みなさんを笑顔に』を本望に、幼少から抱き続けて来たDJキャリアを邁進中。米留学時代はMusic therapyを学ぶなど、音を通したアプローチにも定評あり。柔らかい喋りとは対照的に、在学中はワンゲル部に所属・趣味は北アルプス登山など、アクティブな一面も。
現在かながわSDGsスマイル大使としても活動中。
INFOMATION
中川工務店/R+house小田原事業部
足柄上郡開成町みなみ5丁目5-1 TEL.0465-43-7770株式会社
1970年創業。神奈川県小田原市を中心に県内エリアの注文住宅・リフォームを請け負う地域密着型の工務店。地域のネットワークを生かした独自の土地情報をもとに、お客さまの要望に寄り添った土地選びをサポート。ライフスタイルに合わせた家づくりを第一に、資金相談から施工までをワンストップで行います。