木の家具があるくらし #6
フリーハンドイマイ

#6 オーダー家具作りの醍醐味

オーダー家具の良いところは、名前の通り家具を注文して作れることですね。自分の好みの色や素材を使って使いやすい形を作ることができるというのはオーダー家具作りの醍醐味でありますが、もう一つとても地味ではありますがオーダー家具ならではの大事なことがあります。それはお付き合いを続けることができるということです。 今までも何度かご相談頂いたことがあるのですが、お店で購入する家具がちょっと壊れてしまった時、例えば、扉の蝶番が傷んで軸から折れてしまったり、引出しが固く感じるまま開け閉めしていたら壊れてしまったり、また塗装がはがれてしまったり椅子の座面が破れてしまったり・・。そうなった時に皆さんが私たちのところにお電話をくださるのです。 「実は購入した家具の修理をお店にお願いしたら、断られてしまって・・。」とか「製造しているメーカーさんが今はもうなくなってしまって修理できなくなってしまいまして・・。」というお話を聞かせてくださいます。私たちのところで直せるものは直すのですが、本来でしたら作った人がその家具のことを一番よく知っているので、その人に直してもらうことが一番だと思うのです。オーダー家具というのは、制作してお渡しして終わりなのではなくて、使い始めてからがお付き合いの始まりだと考えております。そういうお付き合いができてこそ、ずっと使える家具になっていくのではないかと思っております。 よくね、「ずっと使える暮らしに寄り添うもの」というフレーズを耳にするのですが、あの言葉は私自身も昔そう言っていた時期がありましたが、どこか軽く聞こえてしまって、今はあまり口に出すことはなくなってしまいました。ずっと使うためにはずっと使えるようにお手入れしないと、長く使えるものも使えなくなってしまうと思うのです。なので、私としては、「何かあったらいつでもお声掛け頂ければ私たちのできる形でいつでも対応しますよ。」とお伝えするようにしています。そういう思いで皆さんと気軽というと失礼かもしれませんが、気さくな感覚でお付き合いさせて頂けることが多いのです。
 
【王禅寺のYさんのお話】
ちょうど先日、大変久しぶりに家具を作らせて頂いた方からメールを頂きました。ちょうど10年前にキッチンを作らせて頂いたお客様です。あの頃はたしかお子さんもまだ小さくて、家を新築されてコの字のキッチンを入れたら、今まで料理に関心が無かったご主人が週末に手料理を振る舞ってくれるようになって驚いたとおっしゃっていましたね。それから、洗面台を工夫させてもらったり、ひとつの大きな空間だった部屋をお子さんが大きくなったからと言って家具で仕切りを作らせて頂いたこともありました。気軽なお付き合いというのは、とても良い距離でして、こうしてそのご家族の暮らしの大事な節目にそっとかかわらせて頂けることができる距離なのだととてもうれしく思っているのです。 今回のご相談は、大がかりなものではなくて、お子さんが大きくなるにしたがって本のサイズが変わってきたから棚板を増やしたいというご相談。それから引き出しの高さを今から変えることができるかどうかというご相談。私としては、家具のお話よりもとても久しぶりに皆さんにお会いできることのほうが楽しみだったりするのです。

【台場のAさんのお話】
こちらのお客様も最初にご主人とお兄ちゃんとお嬢さんの部屋それぞれにデスク付きの収納を作らせて頂いたのが始まりでしたね。あれから、時々ご挨拶のやり取りをしているくらいでしたが、あの家具を作って9年後にあらためてお声掛け頂いたのでした。「子どもたちが大きくなってきたので、部屋が手狭になってきて。住まいを変えるにはまだ早いので、暮らしやすくするためにリビングとダイニングの使い方を大きく変えたいのです。」とお声掛け頂いて、それで作らせて頂いたのが、あの実験的で独創的な美しいガラスの円卓と背の角度が変わるラウンジチェアでしたね。お付き合いの中でこうして新しい形が生まれることがとてもうれしく実感できたお仕事でもありました。

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