居心地の良い空間
フリーハンドイマイ

オーダーメイド家具を手がける寒川町の『フリーハンドイマイ』。キッチンをはじめ、テーブルや食器棚、いす、チェストなど身の回りのあらゆる家具を作っています。代表を務めるイマイさんが目指すのは、家具を通してそれを使う人の暮らしと気持ちが整うこと。そのためイマイさんは、デザインや機能性だけでなく、空間に心地よく馴染むかも考え抜きます。「どんどん使って一緒に生活するものだから」とさまざまな工夫・提案から生まれた唯一無二の家具は、存在感が際立つ美しいもの。そしてどこか温もりが感じられるのが特長です。今回は家具と空間が見事に調和した制作例を、イマイさんのコメントとともにご紹介します。

”今回はヌックという言葉が似合いそうな制作例を2例ご紹介したいと思います。「ヌック」とはスコットランドの「neuk(ヌーク)」が語源と言われている、「こじんまりした居心地の良い空間」を指すことが多いですが、今回の2例は特に部屋そのものがとても心地よく、温かさに気持ちがこじんまりと包まれるような場所に思えたのです。”

#1 本棚、飾り棚、吊戸棚のオーダー 「ぬくぬく」 鎌倉 K邸

梶原の小高い丘には遮るものなく心地よく陽射しが降り注ぎます。このKさんの書斎、というかアトリエにももちろんその恵みが。もともと広くない開口でしたのでそこまで明るさは感じられなかったのですが、和室と隣室を緩やかにつなぐことで、陽射しが奥のほうからもこの部屋まで届くようになりました。そこに作らせて頂いたのはブラックチェリーを使った壁一面の本棚。ものを書くことを仕事とされているKさんは資料ともなる蔵書をたくさんお持ちでしたので、その収納場所が必要でした。取り出しやすく見やすいサイズということで、スクエアに近いスペースに本を置けるようにして、また、本棚の背面にはアクセントとして、且つ蔵書が見やすくなるようにと、色を抑えたクロスを張ってメリハリをつけています。その大きな本棚の向かい側には背の低いプライベートな本棚を設けています。隣室との境壁になっているため、その壁も印象が良くなるようにと、お気に入りの本が並べられるようなサイズ感で、グレイジュの背面で目に優しい印象に仕上げています。

#2 オーダーキッチン 「熱情」 茅ヶ崎 K邸

駅前から少し踏み入れるとフッとまわりの音が散ってしまう、そんな住宅街がそこかしこに残っている茅ケ崎。行き交う笑顔は溌溂とした若さもあれば、穏やかな年を重ねた顔もあり、豊かな空気が流れています。その住宅街の一角に建った二世帯のKさんのお宅。タモ材とホワイトカラーの2色を基調として今回は、階段とつながった玄関収納とキッチン、ダイニングテーブル、ソファ、テレビ台を作らせて頂きました。1階にはお父様とお母様がお住まいで、2階はKさんの居住空間。お二人とも設計のお仕事をされていることもあり、アトリエも兼ねたこの場所はとても特徴的な大空間で、すべてがひとつにつながった白い空間。2階の階段を上がると目に飛び込んでくるのはタモの鮮烈な木目の印象のキッチン。長さ4メートルを超えるステンレスのカウンターは厚みがわずか4ミリというここも鮮やかな印象。反対に吊戸棚は壁に近い色で仕上げて、なるべく印象を抑えた仕上がりに。エアコンさえも印象を抑えられるようにとKさんの工夫が見られます。そこにブルーグレーの優しい色あいのファブリックを用いた作り付けのソファがキッチンの対面に置かれることで、とてもさわやかで温かさに包まれたような空間ができあがったのでした。

SHOP INFORMATION

フリーハンドイマイ
神奈川県高座郡寒川町倉見962-3
Tel:0467-75-8719

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