湘南での生活が そのまま仕事となる予感 石橋 尊久 イシバシハザマ

釣り、サーフィン、料理が趣味。 バックパッカーでタイを訪れたのがきっかけで芸人となった石橋さんは、 湘南で一体、何をやろうとしているのか

自然な子育てライフを 求めて湘南へ
今春、娘さんの小学校入学をきっかけに、湘南での生活をスタートさせた石橋さん。「めちゃくちゃいいですよ。空高いですしね。よく子供連れて海に行きます。そして家に戻ると、今度はプールに水貼って、子供を遊ばせながら、自分は水につかりながら、酒飲んだりしてね。これまで都内で生活を続けてきましたが、子供はのびのび育てたいと考えていました。もともと自分が育った阪南市は目の前が海で裏には山。祖父が漁師だったこともあり、小さい頃は父に連れられて、よく釣りに行きました。そのせいか、今でも釣りとかすると、ストレスを発散できるんです。その環境に近いところをずっと探していて、見つかったのが湘南でした。正直、こんなおしゃれなところが国内にあるんだと驚きました」
2001年にコンビ、『イシバシハザマ』を結成。 05 年にはABCお笑い新人グランプリで優秀新人賞を受賞。2011年には吉本若手100組ネタバトルで優勝。芸人としてのキャリアを順調に積み重ねてきたが、しかしそれまでの過程はけっして順風満帆ではなかった。
「高校時代からずっと挫折の連続でした。定時制高校に行って、20 歳まで高校生。鬱屈した生活を送っていました。その後、バックパッカーで海外をまわるようになり、小銭を稼ぐとすぐに海外へ。特に多く行ったのはタイで、カオサン通りの1泊100円か200円の宿にできるだけ長く滞在して、地元の人しか乗らんようなバスに乗ってどこかへ行くみたいなことやってました」
ある日、石橋さんの人生を大きく変える出来事が起こった。「当時バックパッカーの間で幻の秘境と言われていたピピ島へ行っ たんです。映画『ザ・ビーチ』の舞台ともなったところで、人もほとんどいなくて、真っ白の砂浜と真っ青の海。背後はジャングルと原色の世界が広がっている。あまりの美しさを前にして、すっかり感激してしまい、『オレもうこれで人生終わりにしてもいいかな』と思い、入水したんです。ところが遠浅で3キロぐらい歩いても、水位は膝までしかない。もう面倒くさくなってしまった。もし口まで水が来てたら、『あっ恐、やっぱ無理や』となってたかもしれません
そんな経験をしたことで、人生一度終わったと考えれば、好きなことやれると思ったんです。お笑いが特別好きだったわけではな かった。テレビに出てみたいという、そんな軽はずみな気持ちで芸人を目指したのです」

料理教室をとにかく経験 してみたい」
橋さんにとって料理も趣味のひとつ。 17 歳の頃、様々な飲食店でバイトを経験し、知識はそこで培われたものだ。「もともと料理のことは全く知らなかったんです。スープだってお湯に塩を入れたらできると思っていたくらい。そもそもだしの概念などなかった。でもバイト先の厨房で料理を一から教わり、いろいろ覚えたら楽しくなった。イタリアンレストランでは鯛とかヒラメの 白身を使っただしを教わった。それが 〝フィメ・ド・ポワソン〞言葉の響きもいいですよね。 〝必殺技〞みたいな感じでしょ。興味引かれましたね」
最初は単に好きで始めたものが、気がつけば、誰もが認める料理名人になった石橋さん。2014年吉本芸人による節約料理ナンバー1決定戦で見事に優勝。そして2017年から内閣府が始めたキャンペーン「おとう飯大使」に任命された。7月は大分、9月は広島と、全国をまわり現地の食材を使って、おとうさん方と一緒に料理する。
「育児とか、共働きで何かやらなければいけないと思っても、何をやればいいのか分からないお父さんは多い。育児の中にご飯を創るという選択肢があってもいいじゃないかというのがこのキャンペーンの趣旨なんです。男にとって料理というとハードルが高い。でもやってみればこんなに簡単なんだと分かる」得意な料理をこの湘南でも活かしている。レディオ湘南では毎週1回レギュラーとして、料理コーナーを担当。また9月 26 日には茅ヶ崎市で料理教室を企画してい る。
 「料理教室はとにかく経験してみたいという気持ちが強かった。その経験を舞台で喋りたいんです」

生活をネタに、 無限に広がる発想
湘南に来てからは、7歳の娘さんと3歳の息子さんにたくさんのことを経験させたいと、あっちこっちと飛び回っている。里山公園でカブトムシをとったり、ビーチで砂を掘って貝を見つけ、砂に潜っていくのを子供に見せたりもした。
「近々、ぜひ烏帽子岩へ子供を連れて行きたいですね。子供にとって大冒険という感じがするじゃないですか」自宅から自転車で10分ほどで来られる菱沼海岸は、石橋さんが子供さんを連れてよく訪れる、お気に入りのスポットだ。
そこで写真撮影をしていた時だった。砂浜を歩いていた石橋さんは突然、流木を拾い上げた。
「流木を拾ってきて、ニスを塗りそれにQRコードを貼り付けて、名刺代わりに渡したりするんです。『えっ、こんなのもらうの?』とびっくりする相手の顔を見るのが楽しくて」と言って、いたずらっ子のような笑顔をみせた。
次々に新たなことにチャレンジする石橋さんが次にやってみたいことは何なのだろうか。「今後ですか?どうしても楽しい 方へ楽しい方へと考えてしまうんですよ。次は、菜園やりたいですね。野菜作ってそれで料理したい」
そしてそれが格好のネタとなる。楽しい話を湘南で、これからたくさん見つけていくにちがいない。

Photo Galley

■PROFILE

石橋尊久(イシバシハザマ)
大阪府阪南市出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。
お笑いコンビ『イシバシハザマ』として活躍中。
2017年男性へ炊事の参加を呼びかける【おとう飯】プロジェクトの 【おとう飯大使】を内閣府大臣より任命される
https://ishibashihazama.com

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