明治30年創業。丹沢山系の水にこだわった歴史ある酒造店
神奈川県西部に連なる丹沢山、大山。豊かな自然が広がるこの山々の麓町にある『川西屋酒造店』は、全国的にも名を知られる酒蔵だ。
「酒造りはなんと言っても水。使う水がよくないと味も落ちて、まったく別のものになってしまう」と話すのは、工場長の米山さん。丹沢山系の雪解け水があるからこそ、美味しい酒が生まれるのだと熱っぽく語る。こちらの酒蔵で手掛けるのは「丹沢山」と「隆」の2種類。まったく違った印象をもつ2つだが、共通しているのは「酒の味だけが目立つのではなく、料理とお互いを引き立てあう酒」であること。バランスを大切にしつつ、米と水の醸す繊細な味わいを最大限引き出すよう意識しているという。楽しみ方について米山さんは「『丹沢山』はぜひお燗で味わってほしい」という。あたためると甘くまるい香りがただよい、口の中で味わいが広がる。しかし残りすぎることなく、すっときれる爽やかさも持ち合わせている。対する「隆」は、冷酒や冷やで飲むのがおすすめ。食中酒に合う穏やかな香りを堪能するのにぴったりなのだそう。熟成期間で味わいが変わるため、飲み比べて好みのものを探すのも楽しそうだ。銘酒の一部は川西屋酒造店のオンラインサイトでも販売中。ぜひ多くの人に試してほしい。